20251225　頑張らなくても整う家　―暮らしの余白―

　
家は、完成した瞬間がゴールでなく
暮らしが始まり、モノが増え、家族の生活リズムが変わっていく中で
それでも暮らしやすく整う家が　良い住まいだと思いませんか

その鍵になるのは、予算内で家の余白をどう設計できるか

家は高すぎて
削って削って削って家を小さくして
収納もなく、家がくつろげない空間になってしまったらもったいないですよね

また収納量をただ増やすのではなくて
誰が・何を使い・どのように戻すのか
季節のモノって何があるだろう

想定していなかった贈り物や、多少モノが増えたときでも
自然と整う家をつくりたいと考えませんか

例えば、家族が少人数のお住まいであれば、
「洗う・干す・たたむ」までを一か所で完結できる
洗濯専用の空間を設けるという選択肢もあります

一方で、各個人の部屋の天井にホスクリーンや
毛布など重い選択モノも干せる物干し金具を計画する方法もあります

単なる設備の追加ではなく
暮らし方に合わせた建築的な解決策を考えることで
暮らし始めてからのストレスが大きく減ります

収納をつくりすぎても
「あることを忘れてしまう収納」になってしまうこともあります

扉のある収納と、あえて見える収納を使い分けることで
管理しやすく、生活感を見せない空間の計画もいいと思いませんか

ちょっと話が変わりますがつながるので
興味のある方は読み進めてみてください

注文住宅の打ち合わせをしていると
「冬は結露しないの？」と聞かれることがありますが
現在の新築住宅、長期優良住宅などの
高性能の家では、むしろ乾燥対策が重要です

冬場は洗濯物がよく乾き
加湿器付き空気清浄機の水の減りも早くなります

各部屋に物干しを計画しているお住まいでは、
フェイスタオルを軽く絞って干すだけでも
室内環境は大きく変わります
呼吸がラクに感じたり
肌の調子が整ったように感じたり

こうした小さな快適さの積み重ねと
家の性能と支払う金額のバランスから
「この家にしてよかった」と思える理由になります

土曜日は真冬日の予報
身体の水分補給と同じように
住まいの湿度管理にも気を配りながら
健やかに過ごせる住まいを大切にしたいですね

ご予算とすり合わせながら
頑張らなくても整う仕組みを
設計打ち合わせの段階でどこまで描けるか

そのために、打ち合わせ回数の制限はあえて決めていません

打ち合わせを重ねながら、予算内でできることを
図面にどこまで落とし込めるかで
暮らし始めてからの満足度も変わってきます

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それではまた
田澤妙子